イーロン・マスクが見る未来

イーロン・マスク (Elon Musk)
前回は、彼が現在、ロケット開発の民間企業「スペースX」と電気自動車会社「テスラモータース」を経営していることは言いましたが、彼はこれだけじゃないんですねー。
彼は今でこそ、誰もが一目置く世界一の富豪となりましたが、やはりここまでの道のりは並大抵ではなくて😓 金銭面でも技術面でも、あと回りの冷ややかな視線も相当あって、普通の人なら絶対に諦めてしまうような状況を何回も打破してきました。
まあ、とりあえず「スペースX」から見ていきましょう。

スペースX(ロケット開発)

まず、彼が大学生の時に宇宙が大切、と思った理由は、「将来、地球が何らかの理由で人間が住むことが限界になった時に、人々を火星に運んで向こうで移住できるようにしておかないと」と、本気で思っていたそうですよ(笑)

「人類を救う」ことを真剣に考えていたとは・・(^^; 今でも人は半信半疑かと思いますが、当時は口に出して言ったらそれこそ「あたおか」決定でしたね。

しかし、彼はその考えを大真面目に温め続け・・ペイパル社を売って大金が作れた時に、いよいよ自分が本当にやりたかったことに携わろうと心を決めます。しかし、当時の米ボーイング社製のロケットは非常に高価、じゃあロシア製のロケットは・・というと、それよりは安いけど、信頼性に問題がある(;^_^A

そこで、ロケットをつくるコストの詳細を調べると、ロケットの値段は、原材料費が総価格のたった2%であることを知ります。ボーイング・ロケットは、3つの企業にパーツを外注しているので高い。それなら、自社でパーツを大量生産しよう!と。 そして、今まではすべて一回限りで使い捨てるのが常識だったのを、出来る部分は再利用もして、最終的には従来よりかなり安くロケットをつくることに成功しました。(3~4割のコストダウン)

それでも彼は、「こんなことでへこたれるな。すぐに冷静になって、何が起きたのかを見きわめて、原因を取り除けばいい。そうすれば失望は希望と集中に変わるんだ」と社員を励ましながら、執念で粘ります。

また、彼自身のメンタルも相当追い詰められていましたが、「最後の1ドルまで会社のために使いたい。一文無しになってジャスティン(当時の妻)の実家に間借りせざるを得なくなったら、それはそれで受け入れるさ」と自分に言い聞かせていました。

4回目は満を持して、祈りを込めて機体に4つ葉のクローバーも描いて、いざ臨んだら…打ち上がった!!
これで、スペースX存続の危機は逃れられたのでした。

 

イーロン

イーロン

俺は死ぬなら火星で死にたい。衝突事故とかでなく。

 

ケロ

ケロ

アイ~ン。

テスラ(電気自動車)

一方、当時テスラ社の方も電気自動車の開発と工場の初期投資にお金がかかりすぎて、資金をどちらかの会社に絞るか、それとも共倒れか、というところまで来ていました。大体、どちらもお金がかかりすぎる事業で、それを同時に二つも・・は確かに無謀に見えます💧

しかし、彼はあきらめずにNASAに売り込み攻勢をかけ、ついにNASAがスペースX社の性能の高さとコストの安さを買って契約してくれたことで、テスラ社も破産の危機から免れられました。今はあの飛ぶ鳥を落とす勢いのテスラが・・と思うと、ビックリですよね。その時、彼はうれしさのあまり「NASA, I love you!」とツイートしたそうですよ(笑)

その他、最初工場中に導入したロボットアームがなぜか全然動かなくて、納期に間に合わなくて彼も手伝って従業員総出で町工場のように”手作業で”車をつくったり(笑)、イーロンが工場の床に毎日寝ていた時期もあったそうです(;^_^A

イーロン

イーロン

私はテスラで働く社員に多大な恩恵を受けている。私が床の上で寝るのは、道の反対側にあるホテルに行けないからじゃない。ここで働く誰よりも悪い環境に身を置きたいからなんだ。社員が苦痛を感じているのなら、その何倍もの苦痛を感じたい。

(ク~っ、キメすぎだぜ! 笑)

ちなみに、テスラは広告費に一切お金をかけていません。「自分がお客なら『そんなことにお金を費やさずに車をよりよくすることにお金をかけてよ』って思うから」という彼のポリシーからです。その代わり、彼の戦略はこうでした。まず最初に、従来の「電気自動車はダサい」のイメージを覆すような超高級スポーツカー「ロードスター」を出し、それをレオナルド・ディカプリオやジョージ・クルーニーなどのセレブたちに乗ってもらう、するとそれ自体が宣伝になって、その後により安い量産車に移行しても人々は買うだろう、と。その通り、確かに宣伝費ゼロでもセレブは群がり、その噂は口コミでどんどん広がったのです。

宣伝費ゼロ、は確かにすごいですね。しかし、誰かが乗って走り回っているだけで宣伝になりますからね。

そして、当初はベンチャー企業・テスラ社を(うまくいくわけないw)と鼻で笑っていた他メーカーをガンガン追い抜き、2020年には世界一のトヨタを時価総額で抜きました。

これはまずい!!と、お尻に火の付いた既存メーカー各社が今EV開発にしのぎを削って頑張っているのも、このテスラの大躍進のおかげです。

The Boring Company(トンネル掘削会社)

さて、彼がやっているのは宇宙と地上だけではありません。
彼はなんと、「地面の下」にも目を付けているのです。
彼自身が、「交通渋滞に巻き込まれることは人類の生産性への大きな損失」と考えていて、「将来、地球上のすべての主要都市を悩ませている交通問題を解決する」ことを目指すとして、実際に”The Boring Company”という掘削会社をつくってしまいました!
※boring ーー意味は「掘削」または「退屈な」。ボーイング社(Boeing)をもじっているそう。
彼の構想は、地下に巨大なトンネルネットワークをつくり、トンネル内を真空にして、そこへポッドと呼ばれるカプセルに人が入って、時速963㎞で超高速移動する「ハイパーループ」を構築するんだそうです。
なんか、映画みたいな超未来的な映像が目に浮かびますよね。

ボーリング社はまた、資金を遠隔操作と自律的な運用が可能なトンネル掘削機「Prufrock」の次期モデルの研究開発に注ぎ、掘削のコストを数分の1に引き下げ、作業のスピードを劇的に向上させると述べています。

現在開発中の次世代マシンの掘削能力が高まれば、都市の地下にあるローカルループをつなぎ、ハイパーループを実現することができるそうです。しかし、資金調達の新たな目処は立ったものの、行政がうんと言わなかったり市民の反対に遭ったりして、実際はなかなかいばらの道で・・

現状では最初の主要プロジェクトとして、ラスベガスの地下に29マイル(約47キロ)のトンネル網を掘削し、51駅を結ぶ米国最大の地下交通ネットワークを作っている段階です。完成すれば、Teslaの「Model3」の改造車を人の輸送に使い、徒歩約15分の距離を2分に短縮できる予定だそうです。

また、スペースX本社のあるロスアンジェルスのホーソーン市の地下でもトンネルが完成、シカゴ市とも今後の事業契約が決まっています。

は~、、、イノベーション(革新)の塊のような人ですね! 国家事業や公共事業のようなことまで目を付けて実際に取りかかってしまうとは、本当に驚きの人です。そんじょそこらの困難や雑音は屁とも思わない人なので、これも彼ならいつかやり遂げそうですね。交通渋滞のない世界、万歳!

まあ、トンネルのハイパーループ計画にはライバル会社もあるようなので、彼の会社がすべての都市を行うとは思いませんが、それにしても未来の都市はこのような”3D”な世界になりそうですね。

ロボタクシー事業(テスラ社内)

人を速く、便利に、安く、環境に優しく送り届けることができる交通機関は、気候状況を改善するための重要な要素です。そのために、テスラはハンドルやペダルのない専用のロボタクシー(無人タクシー)を開発し、2024年に生産を開始する予定ということです。

マスク氏は、「『未来的な外観』の自律走行型専用ロボタクシーを開発します。これは自律走行に高度に最適化されたもので、ハンドルやペダルがない以外にもさまざまなイノベーションがあり、非常にエキサイティングだと思います。」と発言しています。

また、この車両が「すべてを考慮した上で、1マイルあたりのコストや1キロメートルあたりのコストが最も安価になる」ようにするために、非常に最適化されていると説明しました。

「特に自動運転可能なロボタクシーによって、私たちは、消費者にこれまで経験したことのない、最も低い1マイルあたりの輸送コストを提供することになると思っています。我々の予測によりますと、ロボタクシーに乗るには、バスのチケットや地下鉄のチケットよりもコストが低くなる(1ドル程度)ということです。

スターリンク

マスク氏は、、通信システム「スターリンク」を使って、”個人レベルで” ウクライナの戦いを支援しています。

「スターリンク」とは、スペースX社が開発したインターネット接続サービスで、衛星を経由して宇宙から高速・大容量の通信を行えます。

約1万機以上もの通信衛星を低軌道に投入して衛星コンスティレーション(星座のような集合体)を構築することで、地球上のどんな僻地でもインターネットとの接続を低遅延で可能にすることを目的とします。(IT技術の進んだ現在でも、未だインターネット接続が自由にできない人たちは世界人口の約半数、30億人ほどいます)

 

ウクライナ国内では、インフラ施設が破壊されてあちこちで通信障害が起きており、それは戦いをいいように運ぶには致命的でしたが、衛星から直接電波を送ることで、インターネットなどの利用が復活したということです。イギリスのデイリー・テレグラフなどによると、このスターリンクによるインターネット技術はロシア軍の監視・通報や攻撃用のドローンにも使われているようで、そのお陰でウクライナが大国ロシア相手でも優勢に戦えていると言われています。

ちなみに、支援のきっかけとなったのは、ウクライナ側からマスク氏への次のようなツイートでした。

フェドロフ副首相

フェドロフ副首相

ウクライナにスターリンクでのインターネットを提供してくれませんか?

そのわずか10時間後、マスク氏は自身のツイッターで次のように発表しました。

イーロン

イーロン

ウクライナで“スターリンク”のサービスはもう使える状態です。

仕事早っ!!(笑)

また、マスク氏はウクライナに侵攻し続けるプーチンに本当に頭にきているようで、3月14日に次のような内容をツイートしました。

イーロン

イーロン

私はウラジーミル・プーチンに決闘を申し込む。懸けるのはウクライナだ!

さらに、プーチンを次のように挑発しました。

イーロン

イーロン

彼が恐れるなら私は左手だけで相手をしてもいい。私は左利きじゃないけどなw

プーチンがこれに反応したという話は聞きませんが、(彼はそもそもスマホもSNSもしない人らしい💧)個人でこれだけ一国をバックアップできるというのは、頼もしい限りですし、心がとても熱くて優しい人ですね。

携わっている会社や事業はその他にも、ニューラリンク、OpenAI、Solar City、そして今回新たに加わったTwitterと、ここにすべて書ききれないほどで、一人の人間が物理的にそんなにカバーできるのか?!と思うほどの事業の多さですが、超人の彼なら、それも可能になっていくのでしょう。(彼のタイムマネージメント法もまたすごいんです!)
週に80~100時間は働くべきだ。特に起業家は。地獄のよう? でも、それこそが成功の確率を引き上げるんだ。40時間しか働かない人と100時間働くあなたが、同じタスクをこなしたとする。わかるだろう?他人が1年かかるところを 4ヶ月で達成することができるわけだ

ケロ

ケロ

さいなら~!

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